ワークショップ

開催日時

2019年12月21日(土)13:45~16:30
※7つのワークショップとも同一時間の開催
※開始時間変更となりました。13:30~16:30→13:45~16:30

参加資格

大会参加者であれば、どなたでも無料で参加できます(別途大会参加費が必要)。
定員に空きがあれば、当日参加も可能ですが、事前参加登録で事前のお申し込みをお薦めします。
※事前参加登録はこちら

定員

各50名
※事前参加登録にて定員になり次第締め切り、キャンセル待ちとなります。

ワークショップの概要

WS01WS02WS03WS04WS05WS06WS07

ワークショップ1(WS01)

「抑制廃止」の知識と理解 ―管理者がすべきこと―
  
演者:奥村 順子(永生会みなみ野病院 看護師長)

全国的な身体抑制廃止に向けた取り組みは、介護保険制度の制定から原則禁止となったことが契機となり開始されました。しかしながら、抑制をせずケアを提供することについて、施設内やスタッフ間に存在する温度差はまだまだ大きいのが実状です。
施設管理者として、抑制廃止をすることで起こる課題を整理することは重要で、同時に、抑制をしないことが対象者においてどれほど有益かを知る必要があります。
施設内全てのスタッフが同じ認識で質の高いケアを行っていくためには、どのような教育を行い、環境を整え、導いていくべきかを考えます。その方法論、施設運営・経営戦略、組織論も含め、ディスカッションをしたいと思います。
施設管理者の皆さまには、日頃の悩みを含め、様々な経験や成功・失敗例等を共有していただき、共に解決の糸口を見つけられることを期待します。
(※本ワークショップは、管理者の方々の参加を想定しています)

ワークショップ2(WS02)※WS5と合同開催予定→単独開催に変更(11/19現在)

ミトン抑制をアセスメントする
 演者:野村美代子(介護老人保健施設ペアレント 科長)

 身体抑制のなかでも拘束度は低いと思われがちなミトン抑制ですが、対象者に与える身体的・精神低影響は大きいと言えます。治療や安全確保のためにやむを得ず実施している状況がありますが、再度ミトン抑制について検討し、代替えや抑制をしないですむ方法を考えたいと思います。
成功・失敗例等、具体的な方法を共有し、ディスカッションしたいと思います。

ワークショップ3(WS03)

センサー類の使用における問題点
 演者:能見 昭彦(介護老人保健施設アルボース アルボース事務室)

 近年の介護人材不足は深刻であり、高齢者雇用、介護ロボット事業、外国人雇用などの対策を各々進めていると思います。本ワークショップでは、介護ロボットに注目し、実際に当法人で活用している3つの機器について解説し、このような技術を医療・介護で活かしていくための重要点、課題などを検討いたします。
 まずは①離床センサー類です。センサーマット・センサーベッドなどの機器がありますが、適切に運用できているでしょうか。使用基準や方法などが明確化されていないと、効果的に転倒・転落を防ぐことはできません。職員の経験や思いつきで設置するのではなく、アセスメントに基づいた必要性の判断、機器の適切な選定や設定が大切です。
 次に②顔認証による離設防止システムです。身体拘束を行わず、質の高い認知症ケアを行っている施設や病院ほど、離設の対策には苦労していることと思います。そこで、顔認証技術を使い、外出しようとする方の把握を行います。それにより、スタッフが一緒に付き添うなどの対応がとれ、結果的に離設防止となります。しかし、機械の操作は複雑です。日々のシステム管理や、仕組みを有効活用できる体制作りなどに触れたいと思います。
 最期に③赤外線センサーの活用についてです。使用目的は転倒防止や外出把握など、使い方によって多岐に渡ります。センサーマットなど、物理的に目につく物が設置されていると、機械に監視されていると思い、負担に感じてしまう、などの意見もあります。赤外線センサーは目に見えないため、そういった心配がありません。
 これらセンサー類の使用に関しては様々な意見がありますが、今回は前向きな検討を行いたいと思います。時代の最先端技術を皆さんで共有し、有効に活用しましょう。

ワークショップ4(WS04)

スピーチロックの理解  その言葉遣いについて
 
演者:蓮実 篤祐(特別養護老人ホームプレーゲ本埜 施設長)

 言葉による抑制、いわゆるスピーチロックは「身体抑制廃止」の中での広義の意味として、身体的な抑制(フィジカルロック)、薬物を使用した抑制(ドラッグロック)とともに身体抑制の一つとされています。
施設で起こり得ることとしては「~しなさい」と行動を強制したり逆に「~してはダメ」と抑制することですが、咄嗟の時や余裕がない時に出やすい言葉であったりします。
このように言葉による抑制は概念が明確になっていないため、廃止に向けた取り組みについても個別に認識され対応しているのが現状です。
余裕がある時ばかりではないので、日頃からどのような言動で伝えること事が望ましいかを考え訓練することは、私たちに必要であると考えます。
何気なく使用している言葉や態度を振り返り、より良い表現方法についてゆっくり考えてみたいと思います。

ワークショップ5(WS05※WS2と合同開催予定→単独開催に変更(11/19現在)

ベッド柵を使用しない環境の提供
 演者:未定

 ベッド柵の適切な使用は、対象者の安全を確保するために有効な手段です。かといって、行動を制限するためにベッド柵で囲むことは抑制であり、その線引きも難しいため、現場で苦慮している様子もみられます。これは、安全面や類似した項目がどこまで身体抑制になるのかという判断が施設により統一されていないことも原因であると考えられます。そのような問題を解決し、できる限りベッド柵を使用しない環境を提供するためには、どのようなことを考える必要があるでしょうか。より対象者に適した環境を提供できるよう多角的な視点から議論を行える場として活用いただきたいと考えています。

ワークショップ6(WS06)

虐待を防止する アンガーマネジメントとストレスコントロール
 演者:濱崎 陽子(松谷病院 看護部長)

 私たちの仕事の現場は心身の疲労も多くストレスが溜まりやすい環境であり、怒りの感情もうまれやすいと言えます。あってはならないことですが、対象者への虐待へとつながるケースも少なくなく、ニュースで取り上げられるなど社会的問題として認識されています。
対象者への虐待を予防する上で、感情のコントロール、とくに「怒り」をコントロールするアンガーマネジメントが重要で、ストレスを溜めないよう環境の見直しも適切に行わなければなりません。
いかに自分自身をコントロールするか、また、より良い環境にするためには何が必要かなど、具体的な方法を考えたいと思います。

ワークショップ7(WS07)

身体抑制を希望するキーパーソンへの対応
 演者:池田 直也(池田直也社会保険労務士事務所 所長)

 対象者の家族の中には「縛ってください」といったことを職員に伝えるキーパーソンも存在します。
身体抑制は好ましくはないが、何より安全に過ごせることを願い、また、職員の手を煩わしたくないという思いからの言葉であると考えます。
安全はできるだけ守りたいですが、確実なものではなく、転倒に至るケースもあります。私たちは対象者やその家族に対して、いかに対応すべきでしょうか。
私たちは常に悩み、最善策を考えながら取り組んでいます。
私たちに求められる対象者やキーパーソンに対するあり方や具体的方法を考えたいと思います。


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