大会長挨拶

第21回全国抑制廃止研究会 大阪大会
大会長
橋本 康子
(医療法人社団和風会 千里リハビリテーション病院 理事長)


 この度、第21回全国抑制廃止研究会が令和元年(2019年)12月21日~22日に大阪国際会議場において開催され、千里リハビリテーション病院が大会を主催、運営することになりました。
 身体抑制は介護保険分野(特別養護老人ホームや老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなど)では法的に禁止されていますが、医療保険分野では未だ拘束は行われており、してはいけないという意識が薄い現状があります。
 本大会も20年を過ぎ、身体抑制を、単なる看護、ケアの誤った方法としてとらえるだけではなく、さらに大きく「倫理観」としてとらえる時期に来ているのではないかと思います。本大会ではシンポジウム、ワークショップ、市民講座(劇団による寸劇)などを予定していますが人間尊重、人権、倫理観などをテーマに討論していきたいと考えています。又、医療保険での身体抑制廃止にも積極的に取り組みたいと思います。
 患者さんを弱者とみなす、その精神構造が虐待や拘束を生んでいます。
 医療の現場で抑制がなくなれば確実に医療、看護、介護の質が向上します。
 近年、施設などでの虐待報道が後を絶ちません。命を落とす人もいます。身体抑制の先は虐待です。
 我々医療職は「患者の安全のための抑制」などという間違った考えは捨て、真摯にこの問題に取り組むべきではないかと考えます。是非、多くの方々にご参加いただき、活発な議論ができる実り多き研究会にしたいと考えております。
 皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

 

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